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ご入園おめでとうございます。 高島第一保育園創立32年を迎えました。20世紀も余すところ3年で21世紀を迎えます。今、新しい時代の幕開け、ビッグバンの時を迎え、産みの苦しみの時であり、黎明の時であります。早起きのひとは夜明けを見ることができるように、時代の黎明も早くから気付き準備してきたものには見ることができます。明るい展望はそこにあるのです。それを掴むか、暗黒の淵にはまり込むかは、それぞれの心構えに懸かっています。 今の金融破壊も、経済優先、「金」「金」「金」という人間の生き方を考え直し、価値観を変えなければならない転換期に来ている。金融界ばかりでなく、人類に関わる総てがビッグバンの時代を迎えている。今この時に人類の存亡がかかっています。 だから私達一人一人が、それぞれの生き方、展望を明確にして精一杯努力しなければならない。 保育・子育ては人間を育てることで、人間社会の根幹をなす大切なものである。人間社会の基礎であり、私達の社会の未来は今の保育の在り方に左右されるといっても過言ではない。その保育・子育てが、最大のビッグバンを迎えている。 昨年の児童福祉法改正に伴い、制度改革された法施行の初年度にあたる。今年度は社会福祉事業法の改正が企図され、明年度には措置制度が改廃される様に新聞などでは報道されている。行政は保育園の措置から補助に移行し、公的責任の軽減を計ろうとしている。 今年度、保育園では保護者負担が増大していく不安を一杯はらんだまま、保育をスタートさせねばならない。厚生省は、保育所制度に対する方針をいっこうに明確にさせず、年度末になっても明示されず、新年度の予算編成も見通しも立てられないまま、3月末日に保育園の運営費の保育単価を市役所からファックスで通達された。一時的保育・延長保育については今年度から自主事業として各保育園で保育料を徴収するようにと一方的に通達され、具体的な説明もなく、したがって皆様に園から具体的な説明をすることも出来ないのが現状である。このような行政のために、皆様にいろいろご迷惑をお掛けすることになるかと、実に心苦しい限りですが、制度の大変革期であること、どうかご理解いただきたいと存じます。 今年の保育所入所は措置から保護者選択に変わり、皆様が保育所を選ぶ権利を与えられておられるのですが、定員が定められていて、規制されています。本園の施設設備は、300名収容が可能ですが、過去2回、岡山市に定員枠を250名に変更申請して、岡山市保育審議会に提案したのですが否決され、定員増することができず、ご迷惑おかけしています。岡山市の保育需要が増大している今日、法律で利用者の選択権を謳っているにも関わらず、定員を増加することも出来ない市民不在の行政は如何なものでしょうか。 本園は皆様の保育ニーズを考慮し、一時的保育も制度発足と同時に開設し、乳児保育も、産休明けの生後42日以降から受け入れてきました。乳児指定保育所も制度と共に取り入れ、延長保育制度制定も市内で一番早くから取り入れ、延長時間午後8時まで(A型)しているのは、市内でも本園だけだと聞いています。早朝7時に開園しているのも本園だけです。保育者は通常の保育だけでも大変な中を、朝早く、また夕方の当番をし、行事があればその準備のためなど実に熱心に仕事をしてくれます。子どもが事故を起こさないよう怪我をしないよう一生懸命気を配り、子どもが楽しく過ごせて、個性を伸ばせるような環境設定を考え作り出し、毎日の成長を記録し、本当に大変な仕事ですが、こんなに意欲的に保育に取り組む職員に恵まれていることを感謝しています。また、子ども達の食事を用意してくれる給食の先生方も、延長保育のための軽食を作ったりなど、いろいろな人達が本当に子ども達のために努力して下さるおかげで、皆様の保育ニーズにお応えでき、有難く思っています。 この保育事業は、本来なら公費をふんだんに使用している公立の保育園が、民間の保育園に先立って範を示すべきなのですが、延長保育、一時的保育など率先して取り入れたのは民間が先で、民間が試行錯誤して何とか出来るという見通しをつけて初めて公立で始めるというような有様です。公立が新しい保育サービスはしないならば、良い保育が出来ているかと言えば、そうでもなく、義務的な対応しかされないとかそんな噂はよく耳にします。 公立の保育園は公費も人員も民間より恵まれているのに、何も努力をしていない、だから保護者の公立離れは当然だと思います。そのような公立の保育園を優遇することは果たして意味があるのでしょうか。むしろ公私格差の実態を明らかにし、そのずれを是正していただきたいと思うのです。 保育所は行政の制度の枠の中で規制されて運営されてきました。その枠が実情に合わなくなって変わろうとするこの時期、沢山の見直しが必要だと思います。行政は保育所制度や社会福祉事業が負担になってきたからと言って慌てて振り解くようなことをするべきではなく、長期の展望に立ってそれぞれが自立できるよう、また保護者が急激な負担を負わないよう、配慮すべきだと思います。しかし残念ながらこの平成9年度、10年度の、とくにこの3月4月の行政の在り方は、そういうものではありませんでした。園としてはできるだけ皆様のご迷惑にならないように努力していますが、この実情をどうかお汲みおきください。 この揺れ動く社会、保育制度の中で、しかし皆様にはどうしてもご理解いただきたいことがあります。 私は、本園を選択されたことで皆様は何を選択されようとしているのかと思います。勿論それぞれの理由がおありでしょう。勤務時間・自宅からの距離・保育内容などさまざまだと思います。 しかし、本園を選択されたからには、等しく一つの理念を受け取っていただきたい。それは、私達と共に、子ども達の生き生きとした心に触れ、保護者の皆様も私達も、子ども達と共に育っていくことです。子どもの自然な成長のリズムに乗って、次第に毎日が楽しくなり、未来を夢見ることが可能になります。何かを想像し夢見て、それが創造につながります。子どもと触れあうことによって子どもの心を学び、共感して共に育つ。大人が不可能と思う事を子どもは実現する力を持っています。そんな子どもの素晴しさを学んでください。 ただそれだけのことで、皆様の人生がどんなに明るく素晴しいものになるか、子どもの成長がどんな風になるか、そして、それは社会全体にどれほど影響を及ぼすことでしょう。 子育てはご存じの通り、一筋縄ではいかないやっかいな仕事です。父兄の皆様も毎日大変でしょう。けれども、どれほどやり甲斐がある仕事か、どれほど多くの実りをもたらすかを、まだご存じないと思います。それを私達と共に、感じていただきたいと思います。 「三つ子の魂百まで」。人間の性格形成は幼児期になされます。今この時、すでに子どもは自分の人生を選びとろうとしています。家庭で、この高島第一保育園で、精一杯伸びようとしているのです。幸せな、悔いのない人生を選んでほしいと思います。私達の努力はそのためにあるのですから。 |
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