|
|
20世紀の終わり21世紀の始まりである
平成12年度は、
人類歴史に変革が予想される
大切な出発の門出である。
| 終わりよければ始まり良し。今年度は今世紀の総決算の年であり、未来を決める心すべき年を迎えている。 高島第一保育園も開設34年となる。「30にして立つ」と言われ、30年の保育の実践は貴重であるが、同時に、その実践の歴史が、どう開花し、これから広く社会に必要とされるかどうかを問われる時期にも来ている。 一昨年、児童福祉法が改正され、保育園の制度も措置制度から選択制に移行し、行政主導の時代から保護者優先の民主主義の原点に立ち帰る変革の時期を迎えた。加うるに、幼稚園・保育園の制度の壁も見直され、撤廃されようとし、ぬるま湯に浸ってきた保育園に大変革が起ろうとしている。 この時代の中で、保育サービスに徹し、子どもの心に視点を当て、保護者の皆様に選択いただける保育内容を提供する事が今保育園に求められている。 過去の制度は「保育に欠ける子どもを市町村は保護しなければならない」という児童福祉法に基づき保育所が設置され、市町村長が措置権者となって、保育所に入所させ、保育所はそれを預かる場で、募集も自分からはできず、保護者の皆様にも選ぶ権限はなく、保育内容如何に関わらず、ただ預かってくれれば良いという扱いであった。公立園を優先する行政や社会の風潮の中で、細々と各園の保育を展開してきたが、行政は財務や運営についての監査は事細かに指導しても、保育内容について指導したり監査することなく、今日に至っている。 保育園で預かっている子どもは、物品ではなく、成長して、未来の社会を担う存在である。その子どもの成長発達とは何か、将来どんな人間となることが、本人にとっても社会にとっても幸せであるかを考えて、「三つ子の魂百まで」の保育の原点に立って保育内容の構築を目指し、毎年毎年試行錯誤を繰り返しながら、保育サービスはどうあるべきかを積み重ねてきた。その成果が問われる時代に突入しようとしている。 つまり保育園で保育に携わる職員は保育士の資格を持つことが義務づけられているが、ただ資格があればいいというものではなく、その職員がどんな保育観を持ち、どんな保育を展開していくのか、その保育理念の根幹が明示され、その保育理念に基づいた保育実践をどう積み重ねてきているかが、皆様から問われる時代に突入していると思われる。 しかし、少子化問題が叫ばれ、昨年は国がその対策のための多額の予算を組んだが、その実施に於いて少子化対策とは何かといえば、理解に苦しむような少子化対応であった。岡山市の行政においても待機児童の解消ばかりが求められ、保育内容の向上や、働く父母が何を本当に求めているのかということへの対応は見られなかったように思う。 表面的な対応も必要だが、根本の問題は何かをきちんと踏まえて対策を講じなければ形だけの改革にしかならないのではないだろうか。 また、今国会で保育所認可の規制緩和が言われている。認可条件が緩和され、保育事業の企業参入も認められると聞いている。市の保育課に尋ねると企業参入はありえないと言われたが、この時代の流れの中で、その返答はむしろ非現実的に聞える。 又、幼稚園と保育園の制度の枠も、次第に取り払われ、時代は幼保一元化に向けて動いている。 保育園を設置運営している私達は、この動向を逸早く察知し、時代の流れに沿った、本当に社会に望まれている保育の在り方を求めて努力し、基盤の確立を図らなくてはならない。 一、保育内容の再検討を踏まえ、平成十二年度の保育の内容の構築 去る二月の職員会議で提示し、四月五日の入園式のクラス毎の保育説明までに、保育の内容を明確にし、その取り組みについて説明し、保護者の皆様のご理解とご協力を得て、子どもにとって、より良い保育環境を作り上げるために、リーダー会議を度々開催してきた。まずは保育内容実践計画を検討し、4月2日までに各クラス毎に平成12年度年間保育計画を作成し、その共通理解のもとに今年度の保育の実践をしていくことにしている。 高島第一保育園の保育の歴史の中で培ってきた音楽の保育、絵本の保育、体力作り、絵画などは、しばしば専門の講師の先生に指導を受け、何年にも亘って研究・討議を続け、実践を積んできて、今日の高島第一保育園の保育がある。 それは全職員の一致協力して研究し実践し、記録を残して、またそれを参考にして研究をしてきた積み重ねや、園内公開保育を毎年行って、反省会をして共通理解を深め、その資料を保存し、実践の中で積み上げてきた保育が今日の保育内容となっている。 その保育は、形の上では継承され、展開されていますが、当時、真剣に研究・討議した先生の多くは結婚などで退職され、その当時の心や意義まで充分に新しい職員に伝わっているかどうかは難しい課題です。ですから今年の保育は、その実践の経過経験を再検討し、それぞれが保育理念の再構築をして、保育を追究し、形だけの継承ではなく、音楽や絵本、絵画、体力作りの保育について、それぞれの意義を検討し、再確認して保育内容の充実と向上を図るべきと考えています。保育者が充分納得した上でなければ、保護者の皆様にも充分な説明はできません。しかし保護者の皆様のご理解が得られれば、子どもの気持ちも違い、成長・発達の様子も変わってきます。よい保育は保護者の皆様のご理解抜きには展開できません。今年の保育の取り組みによって、子どもと共に保育者自身が一段と成長でき、21世紀に求められる保育者として成長を遂げるように精一杯その体制作りを心がけています。 二、高島第一保育園を核として、だいいち子どもの国、みかど貴ッズガーデンだいいちとの連係とそれによる保育の充実と強化 だいいち子どもの国は「保育に欠ける」子どもしか預かれない閉鎖的な保育所体質から脱皮し、保育園の保育サービスが多くの人に求められていると感じ、私達の保育サービスを地域に広くを提供することを願って設立しました。船舶振興会に企画提案をし、補助申請をしましたが、残念ながら行政の理解を得られず、借金をし赤字経営を承知で建設しました。 今の社会は地域の人間関係が希薄で、子育てに悩みながら、誰にも助けてもらえない苦しい現状の中で、保育園が門戸を広く開放することによって、保育園の子育てのノウハウを伝え、子育てに悩むお母さん方に子育ての楽しさを実感してもらえたなら、どんなにいいだろう。たったそれだけで、どれだけの子どもの人生が変わってくるだろうと思う。 そして、それこそが保育園の責務ではないかと考えたのだが、行政に充分にわかってもらえなかったことが残念であった。 保育園では障害を持つ子を受け入れ、乳児保育も早くから行い、さまざまな保育対応を積極的に行うよう心がけてきた。入園してきた子どもの精神状態や状況は多くは母親の子育てについての無知に由来する。かつてのような大家族や地縁社会でなく、子どもとふれあう機会もなく成長し、出産したからといっていきなり子育ての仕方もわからないまま育てなければならない。仕事の関係で住んでいる場所には、頼りになる身内や知り合いも少なく、誰に助けてもらえばいいのかもわからない。また、離婚も多く母子家庭や父子家庭も増加し、子育て環境は年々悪化している。子育てが多くの母親の悩みとなるのも当然といえる。 このような状況の中で、私達がすべきことは何か。私達保育者は、日々の保育の中で子どもの素晴しさに驚かされる。この素晴しい子ども達を、この社会の中でどうすれば健全に成長発達させることができるのか。それが私達に課せられた責務である。 そのためにはできるだけ多くのご父兄と保育観を共有し、私達の心を保護者の皆様に伝えていかなければならない。 子育てに悩むということは、裏を返せばそれだけ子どもの教育や成長に関心が高いと言うことでもある。そのような皆様に対してできる限り私達の思いを伝え、共に子育てを楽しんでいける関係作りをしていきたいものである。 またみかど貴ッズはこの一月に駅型保育園として開園し、新たな課題の中で、皆様に喜んでいただける保育サービスの提供を試行錯誤しながら目指しています。限られた職員や運営経費の中でどう取り組むか、課題はいっぱいですが、高島第一保育園との関係を密にし、共に助けあう中で、同時に育ちあい、より充実した保育に取り組みたいと考えています。 三、情報化時代に向けて 情報化は21世紀の最大の課題の一つですが、保育園もインターネットでホームページを開いています。しかし今までは保育の現場からかけ離れ、開いているにも関わらず充分な機能を果たしていませんでした。今年度は、保育園にもインターネット専用のパソコンを設置し、気軽に見れるようにし、また保育の現場からの情報発信を心がけています。もっと皆様に子育てを楽しんでいただける情報提供を積極的に取り組みたいと考えています。難しい課題ではありますが、少しずつ前進していきたいものです。 四、少子化対策は保育園が核となって取り組む 行政主導の少子化対策には限界がある。しかし子育ての現場からの動きは最初は小さなものであっても、次第に大きな意義を持つ。その中で大切なことは、保育者が保育を楽しむこと、親が子育てを楽しむことである。楽しさは心に夢を生じさせ、それは創意や工夫をともなって、創造の力となる。子育てを楽しむことによって親も保育者も子どもに教えられ、成長し、豊かな人生を生きるための原動力が生まれる。子育ての意義を知れば、社会全体が子育てをしている家庭や子ども達に対し熱い声援を送る。それは成長する子ども達に共感して、自ら成長しようと努める姿であり、その中で真に成熟した民主主義社会が生じる。そのような社会の構築が21世紀に課せられている。 保育園が子育て支援の核となって、地域と共に生き続けることが、今求められていると思う。そのために私達の使命や気持ちを今一度明確にし、保育者が一丸となって目的達成に邁進していきたいと念じています。 |
|
|