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2001年11月

子どもの体力・運動能力低下の文部省発表に想う

12歳から19歳までの運動能力を親の世代に当たる30年前と比較すると、今のほうがかなり低下していることが、文部科学省が5日発表した体力・運動能力調査でわかった。
走る・跳ぶ・投げるという基礎能力では、男子の50メートル走の一部でわずかに上回ったが、持久走やボール投げでは各年齢とも下回り、14歳以上で低下する傾向が顕著だった。
調査は毎年実施、今回は昨年5月から10月までの期間、小学生から高齢者までの約7万2千人を対象に行った。このうち6歳から19歳までは約3万2千人となる。
親の世代に当たる30年前のデータと比較したのは、12歳から19歳の50メートル走・持久走・(男子1500・女子1000メートル)・ボール投げの3種目。
30年前の記録を とすると、女子50メートル走は 〜 、男女の持久走は 〜 、男女のボール投げは 〜 と低下の傾向が見られる。
過去からの推移を見ると、殆どの種目の記録が1970年代前半までは向上し、その後10年ほど横這いで、1980年後半から低下傾向が続いている。
又、今回の調査では、7歳男女の50メートル走、7歳男女と9歳女子の立ち幅跳び、11歳女子のボール投げ、19歳男子の握力などで過去最低記録を更新したということである。
私は昭和42年に保育園を開設し、保育とは何かを模索してきた。そして思うことは人間が幸せに生きるためにまず必要なことは健康に生涯を過ごせることではないか、ということである。
昭和37年池田内閣の高度経済成長政策により、幸せというものが金と地位に置き換えられ、学歴社会に勝ち残るために、勉強ばかりが奨励され、体力や運動能力、人としての優しさなど、大切なものが切り捨てられていった。
人が本当に豊かに生きるということの意味が問われず、遊びや健康づくりが疎かにされ、知的発達ばかりが優先される時代となった。教育の場や保育に於いて、子どもの本来の成長を知らずして、教える・与える保育が横行し、大変な時代が続いてきた。
私は知的発達より体力づくりを優先させるべきという考えの中で、裸足の保育・薄着の保育・乾布摩擦・マラソン・園外保育などを行い、冷房などもあまり使わずしっかりと外遊びで体温の調節をするようにしてきた。出来るだけ自然にふれ、遊びを工夫することが、健康で楽しく生きる第一歩であり、その中で体力・気力を養ってほしいと願っている。
その為に就実短大の宗高先生にご指導いただき、園児の体力測定をして、データをまとめ10年近く日本保育学会で研究発表してきた。その37回大会では、この研究発表の意義が認められ、研究奨励賞をいただいた。
体力づくりの大切さはあたりまえのようであるが、現在そのあたりまえのことが見過ごされている。そのために研究発表し、広く理解を得ることを願ってきた。子ども達の生きる力は、まず体力から生じるものと思う。子ども達の力強い成長を心から願うものである。

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